八卦掌は、神秘的な中国武術でしられています。40年ほど前、日本では謎の拳法として紹介されました。八卦掌から多くの名人達人を輩出しました。この方たちが多くの伝説を遺されたからだとおもいます。
八卦掌は中国四大武術に数えられますが他の三流派に比べると新しい武術です。歴史的には江戸時代の末期ぐらいに成立したと考えられています。
八卦掌(八卦拳)は「悟り」を開くことや「道」を極めることを目指すのではなく、ひたすら術の鍛錬を目指します。向こうの世界にワープして人間離れするのではなく、いまこの世界でひたすら人間らしく生きていくためのワザを教えてくれます。しあわせに生きるためのココロとカラダの訓練です。
ですからうちの流れの八卦掌では、師匠と呼ばれた方々も神格化されることはなかったようです。みなさん近所のおじさんといったごく普通の人でした。勿論ココロもカラダも驚異的に強いことは強いのですが、それで「人間」でなくなるわけではないからです。戦闘モードに入らないときは、普通以上に凡庸に見えるような方々だったのだろうと想像しています。
わが師匠も、八卦掌をすればするほど普通の人になっていきますとおっしゃっていました。
師匠は、三つの頃から近所の親切なおじさんと遊んでもらっていたようです。この近所のおじさんが、実は中国から日本(神戸の港)へと渡ってきた正統な八卦掌の流れを継ぐ師匠だったのです。もちろんすごいのはその遊びがすべて将来八卦掌を学ぶための基礎になるようなものだったということですが。
この中国からやってきた達人は、日本に来て神童に出会ったと思われたのかも知れません。それでも近所の子供と遊んでくれるようなやさしいおじさんであったことは確かです。結果としては、まれにみる(おそらく今の時代では不可能な)英才教育を受けて育った武術家を生み出すことになったわけですが・・・。
ついでながら、八卦掌はこうして日本、それも今わたしのいる神戸に伝わったのです。
武術は流行語にもなっていますが、それを実学として毎日の生活に生かせてこそ意味があります。八卦掌は、限られた人だけに開かれた特殊な趣味ではなくて、誰にでも開かれたものでなけれなならないと思っています。そして練習で体得した技は(もちろん師匠と初心者との違いはあるとしても)日常生活の中でわたしたちをより元気に幸せにしてくれる方法でなければなりません。
・・・危険を察知する、すっと身をかわす、欲しいものにさっと手が伸びる、くよくよすることなく常に心機一転新たな視点で一日を始める、他者を見て聞いてその関係の中で自然なコミュニケーションをはかる・・・などなど、明るく前向き、まっすぐな生きる姿勢を教えてくれると思います。
八卦掌はカラダだけではなくココロも柔軟にそして頑強にしてくれます。ストレス社会を生き抜くための備えにもなるでしょう。
正統八卦掌の日本発祥の地である『神戸』から、八卦掌・八卦気功のエッセンスを少しずつでも発信していきたいと思っています。
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